令和5年2月定例会(第7号) 2023年3月9日


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◯二十番(朝倉浩一君)
 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第二項小学校費第三項中学校費第四項高等学校費第五項特別支援学校費の代替教員の確保についてお伺いをいたします。
 教員が足りず、学校に本来配置するはずの人数を満たせない状態が、昨年度、全国の公立小中学校、高等学校、特別支援学校の四・八%に当たる千五百九十一校で生じていることが、文部科学省が初めて実施した教員不足に関する全国調査で分かりました。二〇二一年五月一日時点で、公立小中学校と特別支援学校で計二千六十五人の教員が足りないことが判明をいたしました。
 このように教員不足が生じている原因の一つは、産休や育休や病気療養による欠員を埋められていないためで、名古屋市を除く愛知県の欠員は百二十五人でした。
 二〇二二年五月一日時点でも百八十三人が不足し、その数は拡大しております。また、同月に本県でも教育課題を話し合う県総合教育会議があり、教員不足や教員の働き方改革についての対応が協議をされました。
 その中でも、教員の絶対数が不足し、特に講師不足が深刻だと指摘が出ていて、産休、育休や病気などで長期に休む正規教員の代わりに入る講師が見つからず、小学校の担任を管理職や校内の教師が代理で務めるケースが出ていると説明をされています。
 不足の原因について、産休や育休、病休──病休は病気で休む人ですね──取得者が見込みより増えたことや、特別支援学校数の増加のほか、教員採用試験が低倍率で合格しやすくなり、主に不合格者が担ってきた臨時的任用職員や非常勤講師が減ったことも原因の一つとして考えられています。
 そうした中、大村秀章知事は、こうした欠員には講師を充てると決められているが、正規教員も充てられるよう国に求めていく考えを示していただきました。  あわせて、本県は、国の方針であるクラス三十五人学級についても、いち早く五年生まで導入の考えを示していただいております。
 全ての子供たちが、個々の理解状況や適性に合わせた個別最適な学びを実現するため、三十五人学級などの少人数による指導体制やICTを活用した教育など、学びの環境の充実に向けた取組の必要性が高まる中、その役割を中心となって担うこととなる教員の確保は、これからの方策を実施するに当たって、まさに命綱となるのではないでしょうか。
 文部科学省においては、令和五年度の加配定数の執行から、都道府県が年度当初から前倒しして臨時的任用職員を配置する場合に、当該加配の目的に沿った活用を前提として、前倒し期間分の加配定数を措置する支援を講じる予定としておりますが、そこでお尋ねいたします。
 年度途中に出産休暇や育児休業を取得する場合、代替教員の確保に苦労しているため、国は来年度から、小中学校や特別支援学校の小学部及び中学部を対象とした新たな対策を実施するとのことでありますが、本県はどのような対応をしていくおつもりかお尋ねいたします。

◯教育長(飯田靖君)
 出産休暇や育児休業取得者の代替教員の確保についてお答えをいたします。
 議員お示しのとおり、近年、団塊の世代の退職に伴い採用をした教員の出産休暇や育児休業の取得が増加をしており、それに伴う代替教員の必要数も増加をしております。
 一方、国の基準では、代替教員の任用は、出産休暇等の取得日以降であり、年度途中からの任用となるため、近年増加をしている代替教員の確保が困難なものとなっており、本来担任を受け持つことのない教務主任や校務主任が担任となったり、他の教員の担当授業時間数を増やすなどして対応している学校もございます。  こうした状況を踏まえ、国は来年度から、代替教員を確保しやすくなるよう、七月までに出産休暇や育児休業を取得する教員の代替者を、年度途中からではなく、確保しやすい四月に前倒して任用することができるよう、小中学校と特別支援学校の小中学部について制度改正をすることとしております。
 本県におきましては、国が対象とする小中学校や特別支援学校の小中学部を対象にこの制度を導入するとともに、代替教員の確保は全校種同じ課題でございますので、本県独自に高等学校及び特別支援学校の幼稚部、高等部も対象とすることとし、あわせて、教員三十人を増員してまいります。
 また、この前倒し任用により、年度途中からの出産休暇や育児休業の予定者を学級担任とせず、代替教員を四月から学級担任に充てることが可能となり、子供たちにとって年度途中での学級担任の交代を避けることができるといった効果もございます。
 こうした取組により、今後も子供たちが安心をして学ぶことができる環境の整備に努めてまいります。

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