令和6年2月定例会(第3号) 2024年2月29日


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◯三十八番(朝倉浩一君)
 議長にお許しをいただきましたので、順次質問させていただきます。
 最初に、SNSを悪用した犯罪対策について、二点伺います。
 あいち民主県議団では、令和六年度当初予算に係る要望として、SNSで実行犯を募集する手口による犯罪について、全国的に大きな被害が多発していることから、民間事業者や警察庁や都道府県警察との連携を図り、強化するよう要望いたしました。
 二〇二二年に全国で組織的な悪質犯罪が多発し、若年層が闇バイトと呼ばれる仕事につき、受け子等の実行犯として犯罪に手を染めている事案が増えています。  二〇二三年三月、警視庁は、詐欺や強盗の実行役を募る闇バイトをめぐり、特殊詐欺事件の捜査で事情を聞いた実行犯約六百二十人のうち、少なくとも二百九十人、四六・八パーセントは、旧ツイッターで闇バイトの募集投稿にアクセスしたと明らかにしました。また、六百二十人のうち約八割は、事件に関与した動機について、金に困っていた、金もうけのためと説明していることが分かりました。闇バイトを続けた理由では、やめたくても脅されやめられなかったといった供述がありました。
 こうした中で、昨年、私の友人から聞きました子供さんの話を皆様に聞いていただきます。
 家族四人で暮らして、いつもと変わりなく幸せな生活を送っていた友人ですが、あるとき悲劇が襲いました。ある夜の自販機の設置してある場所で、息子さんが友達と一緒に会話を楽しんでいたとき、飲酒運転をしていた男性の車が目の前に飛び込んできたのです。突然のことですが、彼は車に挟まれ、十六歳の若さで亡くなってしまいました。飲酒運転でまさか自分の息子がと愕然としたそうです。今でも忘れることができないそうです。
 その後も、親友ですので、何度か彼と会って話しています。もう一人の息子さんは、地元で仕事をしていましたが、理由は分からないのですがお金を貸し金業者から借りていて、何度も返済について連絡があったようです。本人に聞いても答えない、電気やガスを止められる等々、十八歳以上なので自分の責任ですから当たり前のことです。もちろん親でも、貸し金業者に問い合わせて聞いても、個人情報だからお答えをしかねると言われることも承知いたしております。その後、勤務中であった会社を退職し、新たに仕事が見つかったので心を改めて東京に出て働くということを聞き、私も大変喜んでいました。新たにスーツを新調し、親として喜んで東京に送ってあげたとのことでした。その二週間後、国選弁護人より連絡があり、息子さんが特殊詐欺の現金等受け取り役である受け子をしたとして逮捕され、警察署に留置されているとのことでした。現在、二年六か月の実刑で刑務所にいるそうです。
 どうしたらこういった状況になるのか、どう対処していいのか、聞かれても答えられませんでした。
 子供のことで悩んでいる親御さんは、全国にたくさんいらっしゃいます。昨年五月に、愛知県警千種警察署において、名城大学の学生と協力し、名古屋市内の高校生千人を対象に、交流サイト、SNSを通じて、犯罪の実行役を募る闇バイトに関するアンケートを実施したところ、男子生徒のうち五十人に一人に当たる二パーセントが、勧誘を受けたことがあると答えたと発表がありました。
 そこで伺います。
 このように様々な要因が考えられますが、若者がSNSを通じて、安易に特殊詐欺の犯行に加担している状況が見受けられるところ、県警における実行犯を生まないための取組についてお伺いいたします。
 また、昨年十二月に、全国で甚大な被害が生じている特殊詐欺を集中的に捜査するために、本年四月より、警視庁など七都府県警に計五百人体制で新設する組織の名称が連合捜査に決定したという記事を目にいたしました。七都府県警のほか、全国の警察本部に連合捜査の担当部署ができることも決まりました。二〇二二年の全国の特殊詐欺被害は、八年ぶりに増加し三百七十億八千万円、二〇二三年は四百四十一億二千万円と増加傾向が続いており、本県も被害額、二〇二二年は約二十億三千万円、二〇二三年は約二十七億八千万円と、認知件数とともに増えています。こうした中、運用を見直し、全国的な犯行グループの撲滅を目指すことは、県民にとっても大変心強く感じます。
 そこで伺います。
 広域的に行われる特殊詐欺に対して、全国警察が一体となった取組が必要と考えるところではありますが、県警の対応について御所見をお伺いします。
 続きまして、商業者等による地域貢献活動の推進に関する条例の制定に伴う商店街活動の活性化についてお伺いします。
 本議会に提案される商業者等による地域貢献活動の推進に関する条例は、商店街や大規模小売店舗などの商業者が、地域の魅力やまちづくりに貢献し、地域商業を活性化させるために、NPOや住民団体、大学などの地域の多様な主体と協力して地域貢献活動をすることを期待するものであります。愛知県が地域社会の継続的な発展を目指す姿勢には賛同いたします。しかしながら、地域の商店街を取り巻く環境は、事業主の高齢化や後継者問題、消費者のニーズの多様化やインターネットを用いた通信販売の台頭など様々な課題に直面しており、存続させることについても厳しさを増しています。
 私の地元である半田市商店街連合会には、五つの商店街振興組合、協同組合、発展会があり、愛知県商店街振興組合連合会にも参加をしています。以前は十団体ほど存在していましたが、現在は一団体が発展会として発足し、六団体となりました。
 ここで少し、半田市商店街連合会の活動を御紹介いたします。
 当商店街は、市内の六つの商店街から成る連合組織です。まちを元気にするために、加盟事業者の商売繁盛のために、特色ある商店街ごとの強みを生かして、様々な活動に取り組んでいます。また、地域の事業所を盛り上げることを目的に、半田商工会議所、自治体と協力して、ごはんだ食まつりと題して、二十年もの間続けてまいりました。
 ごはんだ食まつりとは、半田市は尾州半田と呼ばれて、古くから醸造のまちとして栄えた文化と地産地消の食物などを使用したお弁当や知多半島醸造物を使った醸す丼、江戸時代から伝わる尾州早すし、スイーツなど、飲食店を盛り上げる商店街連合会独自のイベントであります。令和二年度においては、コロナ前に対して、コロナウイルス感染症の影響もあり、売上げも落ちてしまい疲弊してしまった事業所に元気を出してもらうこと、また、コロナ禍で影響の大きかった飲食店を支援する目的で開催をした第十六回ごはんだ食まつりは各店舗でのテークアウトキャンペーン、第十七回ごはんだ食まつりでは半田市役所職員駐車場にてドライブスルーキャンペーンなど、様々な形で飲食店事業所の協力を借り、一千食を超える弁当を用意して、集中的に四回開催をいたしました。
 商学連携事業として、事業者と半田商業高校生と連携して、昆虫のコオロギを使ったコオロギクッキーなどを開発、地元酒造会社と半田農業高等学校の高校生と連携して日本酒を開発するなど、新酒完成発表会を開催いたしました。そのおかげもあって、金山駅コンコースの商店街、逸品名品テストマーケットにも毎年参加するようにもなりました。
 令和三年には、大型店舗イオン半田店とも連携をしたウマミマルシェ、令和四年には、半田市制八十五周年記念事業としてはんだ商業まつり、日本三大運河に指定されている半田運河キャナルナイトと題した商店街グルメマーケットなどで、飲食ブース、イベントスペースなど展開をさせていただきました。令和五年は、はんだ市民盆踊りでキッチンカーを数台出店し子供縁日ブースを、そして、半田市が誇る第九回はんだ山車まつりが六年ぶりに開催され、五十五万人の来場者をお迎えした折も、半田市商店街連合会、半田市はもちろんのこと、山車組関係者も一つになって盛り上げていただいたのは、今でも思い出すと感動を拭えないほど心に残っております。
 半田市には、商業の振興が地域の活性化に資するように、商業の振興に関する事項を定めることにより、その基盤の安定と地域経済の活性化を促進し、地域社会の発展と市民生活の向上に寄与することを目的とする半田市商業振興条例が平成二十二年一月から施行されています。まさしく商業者の事業活動を通じた地域活性化と、市町村が実施する商業者等による地域貢献活動の推進の施策と愛知県が地域社会の継続的な発展を目指す姿勢と合致するのではないでしょうか。
 私の所属していた商店街は、飲食店や商業施設が多く集まる地域のため、加盟事業所数が八十事業所と多いのが特徴でありました。軒を連ねる従来の商店街とは違った商店街で、その在り方にマッチした新たな可能性を探ってきましたが、今では、私の所属していた商店街振興組合は解散してしまい、発展会になってしまいました。平成三年からずっと立てられてきた街路灯は百五十本もあり、老朽化でどうやって修理しようか模索中です。当時は、街路灯を防犯灯の役目として、国からの補助金が出ていたときもあったようですが、今になれば、商店街や発展会も縮小の一途をたどり、倒産や廃業したお店が増えて負の遺産になっているところも多くあるようです。まちの魅力づくりや防犯対策といった地域貢献活動の一環でもある街路灯の維持管理費用の負担が重くなっており、大きな課題となっている状況でもあります。
 これでは、これから起業したい、また起業している経営者にとっては、商店街の活動は魅力あるように見えませんし、とても思えません。いずれの課題にも、商店街振興組合、協同組合、発展会も含めて自助努力が必要ではありますが、県や地元自治体などによる適切なマネジメントが求められることも考えられます。
 そこで伺います。
 県は、この条例に基づく、商店街と地域の多様な主体との連携による地域貢献活動を推進するため、どのような施策を講じるのかお伺いいたします。
 続きまして、中小企業の障害者雇用促進と手話言語・障害者コミュニケーション条例における取組の推進について伺います。
 私の友人は大手企業を辞めて、平成二十六年に個人事業主として自家焙煎コーヒーの製造販売を開業し、他店舗様の店先や移動販売車でコーヒーを販売し、売上げを立てており、令和四年三月に半田市にて、初めてコーヒー販売店を運営することになりました。
 その店舗は、聴覚障害者の方と長年の関係があるスタッフを店長とし、そして、聞こえる人、聞こえない人が共に楽しく働けて、共にお客様として楽しく過ごせるというテーマのサイニングストアというお店にしました。サイニングストアとは、手話が共通言語、もしくは言葉を発することなく楽しめる特別な場所というお店との個人的意味合いだそうです。
 友人がなぜサイニングストアというコーヒーショップを運営することになったのか聞いてみると、聴覚障害者の方がコミュニケーションを楽しめるお店というのが少なく、店長の周りの障害者の方から、そういうお店をやってほしいと要望する声が高まり、オーナー本人も熱で片耳が聞こえなくなったのを機に、より必要性を感じ、そのような形で営業をすることになりました。
 また、店舗のある場所も、障害の皆様も集まりやすいように、知多半田駅前で公共施設も併設しているビルのテナントを探し、選んだそうです。お客様は、聞こえる方、手話を知らない方がほとんどですが、その中で、聴覚障害のスタッフを採用し、お客様に喜んでもらえる応対を教え、作業を覚えてもらい、頑張って仕事をしてもらっています。
 仕事を伝えるのは、健聴者、普通の健聴のスタッフに教えるより数倍の時間がかかります。弊所に所在している聴覚障害のスタッフの一人は、就労施設から受け入れた女の子で、なるべく休まないように通う、お客様にありがとうと頭を下げるなどの仕事に対する基本から一年半以上教え、ようやく理解を得るようになってきました。手話でコミュニケーションをしたい、健聴者、聞こえる方ですね、聴覚障害のお客様は、とてもうれしそうに聴覚障害のスタッフと話をします。ですが、全体の約八割はそれ以外のお客様のため、その方たちへ接客マナーも教えなければいけません。そして、コミュニケーションのスピードは、健聴者の方同士で行うよりはるかに時間がかかり、間違いもよく起こります。そのためにフォローに時間を費やします。
 今、弊所は、聴覚障害者のネットワーク、手話関係者の間で、少しずつよい環境でのコミュニケーションの広がりができていると実感しております。また、聴覚障害者でありながら活発に事業に挑戦している方たちともつながり、支え合いの関係が築けてきております。少しずつですが、聴覚障害者の方たちと、それを知らない健聴者の方たちをつなぐ役目も担ってきています。
 愛知県も含め、昨今では、手話を言語とする、また理解の啓発を求める条例を施行している自治体も多く、手話が言語という認識は広まりつつあります。今後もしっかりと、その条例にもあるような方針の下、周りの方たちと支え合いながらやっていくために、聴覚障害の若手をしっかりと育成して、お店を継続していく必要があります。ですが、実際には、この先も続く人件費の高騰と物価高などがあり、とりわけ中小企業ではしっかりと教育できる環境がつくりにくい現状です。採用時に支給される単発の助成金ではなく、既に雇用済みの方も含め、事業所そのものを援助する仕組みを考えていただければ幸いですし、より障害者の方が安心して暮らせる環境が増えるのではないでしょうか。
 そこで伺います。
 中小企業の障害者雇用の促進にどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 また、本県では平成二十八年四月、障害者差別解消推進条例が全面施行されました。障害を理由とする差別の解消にみんなで取り組み、全ての人が輝き、活躍する愛知を実現する。また、その推進に、障害のある人も含め、県民一人一人が自発的に取り組むとあります。
 さらに、同年十月には、手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例、いわゆる手話言語・障害者コミュニケーション条例も施行されました。この条例は、手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図り、もって全ての県民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に寄与することを目的として、基本理念を定め、その下に、県の責務、県民、事業者の役割及び学校等の設置者の取組を明らかにしているとされています。
 その中に、事業所の役割として、県が実施する手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めること。また、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進のため、障害者が利用しやすいサービスを提供し、及び障害者が働きやすい環境を整備するよう努めることと明記してありますように、事業者、お客様にとっても差別をすることなく、障害者を雇用できる環境をつくっていかなければなりません。
 私が聞いたところ、聴覚障害者に関わる経営者側の話として、当然個人差はありますが、時間を守る、シフトを守るなどのマナーを守ることへの認識がほかの方と比べると低い方がいらっしゃるとのことでありました。コミュニケーションを円滑にするため、それぞれの障害特性に応じた、社会人として必要なビジネスマナー、健常者と共に暮らす中で身につけておいたほうがよいマナーを学ぶ機会を、行政フォローの下、浸透させてもらうといいと思います。互いが歩み寄る雰囲気づくりが必要かと思います。実際に小規模事業所で、聴覚障害者の方にマナーを理解してもらうことを諦めてしまっているところがあると聞きました。また、月の半分以上を、私的理由も含め休む聴覚障害者の雇用を継続することは不可能と判断し、退職していただいたとのことであり、今後、小規模事業主も含めて、障害者の方にどのように接していくのか苦慮していると聞いています。
 こうしたお話を踏まえ、障害者とのコミュニケーションを円滑にしていくことは、改めて重要であることだと感じています。
 そこで伺います。
 手話言語・障害者コミュニケーション条例が施行されてから七年が経過しましたが、これまで手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用を促進するため、どのような取組を行ってきたのか、また、今後どのような取組を行っていくのか伺います。
 以上、理事者の前向きな答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

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